奥まって鄙びた場所に建つ古い洋館。降り止まぬ雪。停電。町に通じるたった1つの手段である橋が雪の重みで落ち、洋館に招かれた客たちは館に閉じ込められる。この中に母を殺した犯人がいると告げられ、疑心暗鬼になる客たちが一人、またひとりと殺されてゆく。ひー、横溝正史かっ!怖すぎるんですけど。怖すぎるあまり、エロの場面は全部すっ飛ばして、ひたすらエンドが見たくてページをめくりました。夜光さんだからきっとエロも上手いはずだけど、もうそれどころじゃない。私は、唐突に出てくるジョージという紳士は、主人公が二重人格で心の中にいる別人格とあたりをつけて読んでいたけれど、全然違った!結構最後まで主人公の中にいるジョージが殺人を犯したと読み違えていて、ラストの謎解きで「えーっ」となってしまった。ジョージってそういう人物か!と後から全てが繋がります。手に汗握るストーリーです。しかし犯人への救済はありません。もう一歩、ラストを練ってほしかったかな。