ネタバレ・感想ありもういいかい、まだだよ【特別版】（イラスト付き）のレビュー

栗城偲小椋ムク

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ピカニキさん

(女性/－) 総レビュー数：1570件

ふわふわと長い時を生きるろくろっ首の恋人

ネタバレ

2024年11月23日

このレビューはネタバレを含みます▼ 『てのなるほうへ』のスピンオフ｡前回主役の草枕の友人•ろくろっ首の春宵のお話は､前回草枕視点で描かれていた出来事が春宵視点になっているシーンが幾つかあり､シリーズをより立体的に楽しめるようになっています｡イケメンで物怖じしない春宵は天然たらしで､人とも妖とも上手に付き合っています｡その春宵が江戸の町で樋野弥一郎と出逢います｡驚かそうと首だけで往来に転がっていた春宵を拾い上げた弥一郎は｢おや綺麗な顔をしてるじゃないか｣なんて言います｡労咳で死期の迫る弥一郎には恐れるものは無く､人懐っこい春宵と馬が合って楽しい時を過ごします｡いよいよ弥一郎が重篤となった時､春宵は妖の元締•狐の御簾裏に弥一郎の命乞いをします｡御簾裏の力で弥一郎は不老の妖となり健康を取り戻しますが､次第に人の世で疎んじられるようになり最後は春宵に恨みを遺して自死したのでした｡時代が流れて平成の世となり､春宵は助手として勤める大学で弥一郎そっくりの樋野学と出逢います｡春宵のふんわりとした悪気のないキャラが永遠に近い時を生きるのにうってつけである一方､弥一郎の命乞いをしてしまう情の脆さが長い時間自身を苦しめます｡『てのなるほうへ』では見えない巽と見られたくない草枕のペアでしたが､こちらはゲイの樋野と妖の春宵というやはり孤独を支え合うペアになっています｡春宵を妖と知って受け入れる安藤教授親子のような大らかな人達が日本の妖怪を育ててきたのかと納得してしまいました｡令和の世でも日本のどこかで妖たちが楽しく宴会していると嬉しいです｡

2件

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れーさん

(女性/－) 総レビュー数：3431件

あの春宵が！

2024年9月26日

前作で明るく元気な印象だった春宵が実は過去に切ない事があったり、恥ずかしがりだったりと草枕さんより好きなキャラでした。
この人間と共存してる世界が和ファンタジーでとってもいい。
こんな事がほんとにあったら素敵だなーと思える作品で優しく栗城先生らしい作品でした。

2件

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crepe さん

(－/－) 総レビュー数：408件

スピンオフ

ネタバレ

2024年5月24日

このレビューはネタバレを含みます▼ 「てのなるほうへ」のスピンオフですが、読まなくても大丈夫です。妖怪と人間の時間の違いが大きな問題としてあるけれど、二人が幸せならばどう解決してもいいのかなと思いました。

0件

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クロエれおさん

(女性/50代) 総レビュー数：2189件

優しい未来が見える

ネタバレ

2023年7月29日

このレビューはネタバレを含みます▼ てのなるほうへのスピンオフ。草枕の友達、とも言える春宵の物語。人間が大好きだから、弥一郎にしてしまったことが取り返しつかないことになってしまった。それは春宵の心を酷く傷つけてしまいましたが。ミスラはいつも、遠くから優しく見守ってくれてます。時を経て、自分をわかってくれている荘助と共に生きていました。そこへ、弥一郎の子孫である学が現れました。気になって当然。学はなんだかわからない。そんな2人が惹かれあって…。学はきっと、ミスラにお願いしにいきます。春宵は最初は拒否しそうですが…。きっとそうなってほしい。そんな終わり方。とても優しい。このシリーズ、とても好きなんです。ぜひ読んでいただきたいです。

1件

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黒鯉さん

(－/50代) 総レビュー数：727件

「てのなるほうへ」のスピンオフ

ネタバレ

2022年8月28日

このレビューはネタバレを含みます▼ 「てのなるほうへ」で登場したろくろ首、春宵のお話です。
スピン元のお話も大好きでしたが、こちらのお話も大好きでした。何がいいって、春宵の妖怪とも人間とも仲良くしたいというスタンス。だからか、お話が全体的に明るくてとても読みやすかったです。
とはいえ、春宵の長きに渡る妖怪生の中での人間との交わり、特に弥一郎との関わりでは良くも悪くも多くを学び、そこから気付く相手への思いやりに自然と胸が締め付けられて。春宵は妖怪なんだけど心は人間に近いものがあるためか、春宵に共感し切なくなることが何回もありました。
胸熱シーンは、弥一郎が学の身体を借りて春宵に感謝を伝えたところでしょうか。私も心残りだったので、このシーンは気持ちが穏やかになり目頭が熱くなりました。
今作では草枕が春宵の相談役として友情出演しているので、できればスピン元から読んで欲しい。ホッコリしたい方、このシリーズはおススメです！

4件

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Hana＊さん

(女性/50代) 総レビュー数：852件

よかった

ネタバレ

2021年2月19日

このレビューはネタバレを含みます▼ 「てのなるほうへ」のスピンオフ。
のっぺらぼうの草枕の友人、オシャレで美形なろくろっ首の春宵のお話です。
草枕も好きだけどこっちの方が個人的には好きです。
春宵の初めての人間の友人、結核持ちの弥一郎との別れがとても悲しくて苦しかった。
弥一郎を亡くしてからの辛い日々も一緒にいてくれた存在があって随分と救われたのでしょう。
弥一郎によく似た、子孫かもしれないし、ひょっとしたら生まれ変わりかもしれない樋野との出逢いできっと人生が変わった様に思う。
春宵は過去に良かれと思った事が上手く行かずに辛い思いもしたけどちゃんと心が救われて良かった。
筆者があとがきで仰っていますが…やはりお話の中くらいは悲しいものよりも明るいもの、楽しいものを読みたいと思いました。

3件

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椎の木さん

(女性/60代～) 総レビュー数：2979件

妖怪シリーズ

2021年9月19日

『てのなるほうへ』のスピンオフになる妖怪と人間のお話です。春宵は気遣いができて後悔の気持ちもずっと持っている優しいろくろ首です。樋野とずっと暮らしている最期のシーンもすごく良かったです。

4件

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