大好きな作家さんです。今作はタイトル通りの感想でした。情景や心情などとても読みやすく引き込まれるように読み込んでしまいます。今作の主人公二人の出会いはときめきを感じましたが、同時に不穏な空気もあり心が揺れました。二人の仲を邪魔する異母兄が残酷すぎて、でもヒロインに惹かれる気持ちも大事にしたい気持ちもわかる気がするけど、それだけに一方的すぎて。ヒロインに無体を働くシーンは重すぎて…ヒーローが時を経てようやく迎えに来たけど、婚約解消の条件がまた残酷すぎて胸が痛くなりました。ヒーローのヒロインへの気持ちがあたたかく、深い愛がそこになるとわかっても読んでいて気持ちは晴れず…結ばれた二人は子供もさずかる(これには救われた)というエピソードはヒロインの親友の思いで綴られ、真の二人の今が見えなくて。それはそれでこう言う終わり方もありかなとは思いながらも、読後がなんだかなぁという気持ちがずっと続いていて心に残る作品でした。