異世界&王宮モノなのに、ただひたすら日常生活の話のみ?!にも関わらず、退屈とはまったく無縁の不思議な魅力を感じるお話でした。前半しばらくは、ヒーローの言動に「え、ヒロインは本当~~にそれでいいわけ??」と心配になってしまうことも。けれど、彼女の終始ブレることのない愛情深い人柄と真心が、ヒーローと周りの人々(プラス読者)をどこまでも優しく包んでくれます。2人の関係を燃え上がらせるような事件も、これぞ王道的な愛の言葉の嵐もありませんが、2人の過ごす日常が丁寧に綴られていくことによって、彼らが次第にかけがえのない愛情で結ばれていく過程がすごく説得力を持って伝わってきて、たまらなく甘くて優しい気持ちにさせてもらえました。