この方の作品、2作目です。無駄に感じられる寄り道をしないで、淡々とストーリーが進むし、ヒロインの子ども時代の、甘えたくても甘えられない、可愛がられたくても抱きしめてはもらえない・・という、実母との相いれない関係と実父との隔離感、など、そういう背景は分かりやすかった。でも、ヒーローの性格 (人柄は分かりやすいものの) がいまひとつはっきりせず、「カッコイイ女の子」と思ったエピソードも、説得力がなかった。応援してくれる純粋なファンレターが、いつしかいびつなストーカー心情になっていき、その犯人は誰なのか分かりやすいので、それを隠す意図は作者にはないと思うのですが、淡々としすぎていて、後半はとくに単調に感じられました。耳朶という言葉がうっとうしいほど出てくるし。
イラストあり・なし の作品があるときは、あとで後悔しないように「イラストあり」を選びますが、今回は、かなり興ざめしました。