この作者さん、2作目です。あとがきを読み、シリアスなソーニャ文庫作品を書きたかったのだと知ってから読み始めました。
なので、そのシリアスさの筋立てに妙なこだわりを感じられ、そこまで秘密に、ひた隠しにしなくてはならないほどの歪みを感じられない、作品だと思い、残念でした。
ヒーローがひたすら守りたいがために、不必要にヒロインをか弱く純粋な設定にしているように感じられ、最後の屋敷が燃える火事になる理由もちょっとしらけました。
「黒薔薇の温室は~」という、子どもが歌うらしい歌詞に、まったく子どもっぽさがなく、母親の口ぐせくらいにしておけばよかったのに・・と思いました。