3作目にしてやっぱり暗さ不足でヒーローのヤンデレ度が薄く感じます。むしろ努力家なんじゃないか。で、このシリーズの珍しい点は最初から用事が済んだら日本に帰っていいよと明言されているところです。最初から別れありきでその時点までどうやってヒロインの気持ちを盛り上げてくかが見ものです。そして3作とも帰る帰らない事情が全然違っていて感心しました。いやぁ、すごいわ。
一点非常に気になったことがありまして、途中ヒロインがヒーローを冷たく追い返す場面で単なる女官たちが自分たちの敬愛する王太子がすげなくされたことに対してヒロインを2人がかりで猛攻撃すること。王太子が長年心待ちにしてたとかウキウキしてるのなんてそっちの事情でヒロインがどう対応しようとあんたらに口出す権利はなかろう。なんなら心を返してもらえないのはヒーローの力不足もあるでしょう。ヒロインは国王並みの身分なんじゃなかったっけ?分を弁えるってことを知らんのか。酷いとか弄んだとか責めてきた2人の言い様の方がよっぽど酷く、ここで折れたヒロインは強く押せば何とかなると認識されて今後他の使用人にもナメられる可能性だってあります。というかそもそもヒロインが偉ぶらないのでこの2人がナメていてそんな態度になるんでしょうね。部屋でも心休まらないなんて異世界から攫われてきて命懸けで働いてこの仕打ち。どっちが可哀想なんだ…。言い方悪いとか態度悪いとか特大ブーメランすぎて話の内容より記憶に残りました。頑ななヒロインの背中を押す役を何でもズケズケ言い合えるような信頼関係も成り立っていない、立場が分かってない人たちに任せるのは演出としてはイマイチだったなと思いました。