ネタバレ・感想ありうちの宿六が十手持ちですみませんのレビュー

(5.0) 1件
(5)
1件
(4)
0件
(3)
0件
(2)
0件
(1)
0件
江戸時代の暦、仕来り、風俗を知る愉しさ
2024年11月23日
主な登場人物で紹介されている柳橋芸者の菊弥と情人の北斗ですが、本文中にお互いの言葉以外には色気のある行動が何一つ出てこないのが清々しくて、そういう描写が苦手な人にとっては物語そのものを愉しめる小説です。
もう一人の七尾は芸者を引退して菊弥の内箱をしていますが、彼女についても行動に少し色気を感じるものの一切色っぽい話しが出てこないところがすっきりとして気持ちがいいです。
この小説を読んで様々なことを知りましたが、そのうちの一つが遊女の名についてです。遊女の名を源氏名というのは『源氏物語』から名を取っているからということを初めて知りました。また、芸者の名は『名無しの権兵衛』から名を取っているので、男名であることも初めて知りました。
また、江戸の地名はそのまま残っていて現在に引き継がれていることも知りました。
そう言う意味では、地方では土地の名が多く今に残されていないことが悲しいです。消えてしまった名がどれ程あるでしょう。
この小説には悪人は出てきません。また、誰も死にません。それが一番うれしいのです。
続編を心待ちにしながら、何度も読み返しましょうか。
いいね
0件
レビューをシェアしよう!