荷鴣さん作品好きな方向けのストーリーでした。
長いけれど一気読み。
お得意の凄惨で残虐な世界感です。
狂った血に幼くして貶められ地獄絵図を見たヒーローと、護られすぎて自分のことさえ何一つ知らない純真無垢な少女。
全くちぐはぐな2人が間違いの誘拐で出会って心を寄せていく様を見守っているうちに、読んでいるこちらが次第に辛くて哀しくて痛くなり、果たして救いが訪れるのか、どう終息するのかハラハラしながら進めました。
ヒロインの母である女王、それを取り巻く人々の凄絶さもすごいですが、同じ時代に生きてしまった国民や周辺諸国もまた悲惨でしかない。
重すぎる内容なだけに、ヒロインの無邪気さが際立っていました。
公式サイトの番外編は本編終了直後のお話です。
前を向いて生きるために旅に出た2人の睦まじさが眩しかったです。