ヒューマノイド系の話はちょっと苦手で、でも安西さんだからおもしろいはず、と作家買いしました。主人公はセクサロイドでお話好きな明るい攻め。でも人間に見つからないように「平凡」に擬態しながら生活しています。あることがきっかけで地味でまじめ、でも誠実な受けと出会います。年をとらないセクサロイドと人間の間に立ちはだかる時間という壁。そこに受けの病気という要素が入ってきて、攻めは「機械」らしくなく苦悩します。愛を究極まで掘り下げようとした作者の思いの伝わってくる作品。後半に出てくる秋月という女性が謎の存在感でどきどきします。ラストの終着点をぜひ読んでほしい。よくまとまった秀逸な物語です。欲を言えば鈴木も救われてほしかったー