作者様の創り出す『人の強欲』をそのまま体現した狂った世界と、その地獄の中に在って唯一だけの為に行動する、過酷で手を汚しまくるヒーローの歪んだ純度の高い恋物語に毎回圧倒されます。まさにダークファンタジーです。大好きです。なかなかここまでドロドロの欲望を描く作家さんはいらっしゃらない上に表現力があるので各キャラ、会話や心情、風景描写に至るまで雰囲気が作り込まれていて鳥肌が立ちます。勿論今回も文句なしの☆5です。他の方のレビューに、結末が突然だったと書かれており、どんな結末なのかな〜?と思っておりましたが、自分的にはとても感動的でした。作者様の他作品と同様に、これからの展望を読者に委ねるかたちのラストの方が、個人的には、はっきりとした結末を用意されるよりも余韻に浸れます。本編長いのも大歓迎なので、是非これからの新作でも作者様の表現されたい物語を端折る事なく全て届けていただきたいです。