いまだかつてない商才とバイタリティーにあふれた侯爵令嬢の、賠償金の代わりに連れてこられた美しい異国での快進撃。登場人物たちひとりひとりの個性と考え方が明確で、人数がかなり多いのに、全員誰が何故なにをしてるのかわかるすごさ。背景としてぼんやり描かれた情報が後の伏線となって回収される気持ちよさ。なにより、悪者はきちんと裁かれ(法に則って)かつ、他のみんな幸せになる未来。どこをとっても読後感がすばらしい。描かれる南国の美しさと美味しそうな食べ物たち。いますぐ連合国最深部に行って、あの素敵なホテルに滞在したいです。恋愛もの、を期待して読むと物足りないかもしれませんが、物語として素晴らしい満足感を与えてくれました。おすすめです。