読み終えて、静かなホッとした気持ちになる作品です。
作者の逢矢先生の作品は何冊か読ませていただいていますが、今回の作品は他よりもやや重くて湿度高めの内容だったと感じます。
キラキラしたヒーローとヒロインのストーリーではありません。狂った父王に人生を振り回されながらも健気に生きるヒロインの辛い人生と、そのヒロインを陰で支えながらも想う気持ちを抑えて衛るヒーローの切ない関係を描いています。
ヒーローとヒロインの関係性も主従関係で私好みでしたが、内容が重いのでキュンキュンやドキドキよりも切なさが上をいき同情の気持ちで読みました。
でも、お互いに相手を想う気持ちは文章から伝わってくるし、作者さんの上手い表現で美しく、そして優しく描かれていて重いけどそこまで不快になる感じはなく良かったです。
2人に大きな試練が何度もありますが、最後は2人にとってのハッピーエンドとなり、読み終えて安心しました。
ラブコメや可愛い作品をお求めの方にはオススメしませんが、ちょっと重くて切ない主従関係の作品が読みたい方には良いと思います!