読む前は、正直「唐揚げ一つでそんなに話を広げられるものかな」と、失礼なことを思っていました。読後の感想は、そんな自分をビンタしたいくらいに「面白かった」です。その、若干下に見ていた唐揚げ…サブタイトルになるくらいの唐揚げ…分量まではないものの、材料から作り方まで書いてあって、一度食べてみたいとメモを取るくらいに興味があったし、かなりの存在感がありました。
内容は、あらすじからも展開からも大体の先は読めると思います。一城の口車に簡単に乗せられるヒナが、チョロ可愛くてニマニマしながら読みました。そんな感じでヒナをも侮っていたところ…ラストで強烈な反撃パンチを喰らってよろけ、重ねて言った男前なセリフに心底驚きました。最後の(ある意味)どんでん返しと秀逸なセリフ選び、予想とは裏腹にヒナが一番かっこよかったです。