ネタバレ・感想ありみにくい獣の愛しい伴侶のレビュー

春田梨野兼守美行

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white猫さん

(女性/60代～) 総レビュー数：226件

『悲しき魔術師と愛しい人狼』

ネタバレ

2024年8月24日

このレビューはネタバレを含みます▼ 琥珀色の魔眼を持つエルセ・イスベルトは、其の比類なき美しさ故に魔術師としての才よりも社交を望まれていますが、エルセ自身はつつがなく魔術師としての道を送りたいと思っていました。
しかし、エルセの年の離れた兄ユリス・レイウ”ィルは、絶対的な支配者の如くエルセの全ての考えと行動を自らの思い通りにしようとします。尤も、ユリスは両親から十七歳の歳迄酷い扱いを受けていたので、エルセを痛みと恐怖で支配しようとするまでに心が捻じれてしまったのでしょう。
ユリスも大層気の毒な人だったのですが、話が進んでいくにつれ、体調不良とか別用とか瞳の奥に昏い火が燻っているとか魔術師が数人行方不明とか彼に対する疑惑を読みながら覚えてしまうのです。
彼の暗さを忘れさせてくれる様に、エルセとラニの何気ない日常と心のふれあいに限りなく愛おしさを感じます。
エルセは誰かを自分自身よりも深く愛したかったのです。その為なら自分がこの世から存在しなくなっていいと思うほどに。
そして、其の想い故にエルセは魔獣などという存在に落ちてしまうことがなかったのでしょう。
至上の愛というものをエルセの中に見出して、ユリスはエルセの幸せを願って、無に還ることを選んだのだと思っています。散々酷いことをしてきたのに、エルセが自分を赦してくれていることを、変わらずに愛してくれていることを感じたのでしょう。
高尚な恋愛小説として読んでみたいので、できればラブシーンはキスシーン位で、後は二人の秘密にしておいてくれると読後感が佳くなります。

3件

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sa さん

(女性/40代) 総レビュー数：15件

一途でいい！

2024年2月1日

素敵なお話でした。途中、紆余曲折ありますが。攻めが一途に、受けを愛し続けます。最後はハッピーエンドでよかった！

2件

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takataka さん

(女性/60代～) 総レビュー数：87件

ユリスが悲しかった

ネタバレ

2025年3月27日

このレビューはネタバレを含みます▼ エルセはスノードロップの様に耐えて忍んで、ラニの出現で目覚め美しく立ち上がる。個々にスキルアップして巡り合い、でも、ユリスは両親からの辛い仕打ちで魔獣化。それでもエルセを守りたいがために、隠して兄を演じる。なんかね、もうちょっと救いがあった方が良かったかな？ちょっと悲しいなって思いました。

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もきゅ子さん

(－/－) 総レビュー数：816件

一途な少年人狼攻め

ネタバレ

2024年12月9日

このレビューはネタバレを含みます▼ 魔術師の血族としての使命と責任を果たすべく、兄の言う通りの人生を歩んできた受け。しかし不遇な境遇の攻めと出会って初めて兄の言いつけに背く。受けに助けられてから受けの家の玄関に獲物や木の実を貢いでゴンになっていた攻めが可愛い。その後も名前だけでも教えて欲しいと健気で可愛い。攻めは人狼への偏見の強いこんな地方ではなく王都に行くべきだし、受けは家の存続のためにいずれ結婚しなくてはならない…受けはそう思いながらも攻めを手放したくなくて強く拒絶できなかったりと自我が強くなっていく様子が良かった。最後は兄の呪縛から解放される。この兄弟の関係性も重くて複雑だった。

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ありちかさん

(女性/40代) 総レビュー数：177件

美しい獣

ネタバレ

2024年3月14日

このレビューはネタバレを含みます▼ ラニの一途な愛と、ユリスの捻れて歪んだ執着が、対になっているようでした。
心揺さぶるといった感じではなく、美しい語り口なので、薄布一枚隔てた所から見つめているかのように感じました。
表紙と挿し絵がぴったりだと思い、挿し絵が出てくるページが楽しみでした。
みにくい獣、とタイトルにありますが、ラニは終始魅力的で美しかったです。

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作家名：春田梨野 / 兼守美行

ジャンル：ライトノベル BL小説

出版社：二見書房

雑誌：シャレード文庫

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