ネタバレ・感想あり中野くんと坂上くんのレビュー

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厄介事に巻き込まれたつもりが
ネタバレ
2025年3月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 面白かった。しっかりロマンス。なんか怪しい仕事(殺し屋)をしてるっぽい男が勝手に家に住み着いてしまったが、まあ気にせずに一緒に暮らすことにした主人公の上野。上野、何事にも動じ無さすぎる。感情の起伏がないというか社会性はあるけど他者への興味関心が無さすぎる。初めて人が死ぬ場に出くわしたのに一旦最後まで腰を振り続けた上野のシーンが面白かった(有り得ない状況に混乱して思考がバグってはいるだろうが)。その後どんどん坂上の怪しい仕事に足を突っ込んでいくんだけど、それが実は上野を中心にまわっていた展開が面白かった。坂上は無口なんだけど偶に話す言葉が可愛くて良い。「俺はアイツとキスなんかしてない」(上野と違って)と上野が他の男にキスされたのを気にしていたり「あんたさえ構わないなら、目の届くところにいて欲しい」と不器用な言い回しで一緒に居てほしいと伝えるのが好き。
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BLジャンルにして沢山の人に読んでほしい
ネタバレ
2025年2月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ タイトルが…よくある青春DKものみたいで、可愛い感じの話を想像してたのですが、めっちゃ本格的アクション・ハードボイルドなストーリーでした。それでいて中野の語彙センスとか発言のタイミングとかのズレが絶妙で、凄く面白かったです。
序章と書いてある通り、ゆっくり…車だったらローギアのスピードという滑り出しだったので、こちらものんびり構えていたら、いきなり!!トップギアのスピードになるからビックリしました。あまりのギャップに完全に意表を突かれて、出だしからワクワク感でいっぱいになりました。
35%くらいまで読み進めて、いいだけ色々と起こっていても坂上サイドのことは何も分からず…の状態が続きます。それでも↑中野の語り口調や行動が面白いし、飽きさせない・よそ見させない面白さがありました。
70%辺りで視点変換があって、坂上サイドの過去と心境が語られるので、そこで全体像が見えてきます。上巻は、とんでもない所でというか中途半端なシーンで終わるので、上下巻揃えてから読むのが得策だと思います。
下巻は、上巻を引き継いで今までにない緊迫感のあるシーンから始まるのに、過去一のんぴりした中野の様子に吹き出してしまいました。アテレコとか、暇とか言って…そんな場合じゃないでしょ!?と、思いつつ笑ってしまいました。ここで「和洋進化」と聞こえる言葉が出てきます。私は、正しい発音を読み上げ機能を使って聞きました。そしたらほんとうに「和洋進化」と聞こえて、思わず「ホンマや」とニヤけてしまいました。
坂上視点で語られる最後のSSまで抜かりなく面白かったです。物騒な台詞や単語が飛び交う割に、何とも微笑ましい様子に笑ってしまいました。
全体を通して、しっかりBLしているのに、ジャンルが違うのは何故なんでしょうか。何となくですが…行為のシーンが直接的ではないから?という気がします。なので、ストーリー性重視の方にお勧めです。
ハードボイルド、がっつりBLです。
ネタバレ
2024年10月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ BLレーベルから出ていないので、良い意味でBLのお約束から解放された作品です。ブロマンスではなく身体の関係もあり、そしてきちんとBLとして成立しています。でもBLレーベルのように濡れ場描写が何ページもあるわけではなく、数行でさらっと書かれている感じでしょうか。基本はハードボイルドなので、グロい描写はありませんが結構簡単に何回も人タヒが出ます。読み慣れていない人は要注意!受けは攻めを守るためには何でもするタイプで、一途に健気。攻めは普通のリーマンだけど飄々した物事に動じない、悪く言えば他人に興味がないタイプ。双方とも悪意で動くことはないけれど善人でもありません。脇役も魅力ある面々が揃っているので、読み応えあり!最近のBLはぬるくてもっと心躍るのが読みたいなと思う人に猛プッシュしますよ!
BLでは難しくなったラブロマンス
ネタバレ
2024年5月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作家先生方のせいではないのは分かっているのだが、正直昨今のBL小説の暗黙のルール的なものには閉塞感を感じる時があるので、こんな形で上質すぎる男同士のお話を読めてとても嬉しかった。
中野坂上に住む中野の前に現れた男に名を尋ねたら坂上(サカガミ)と答えた。
明らかに偽名だと思われる男との奇妙な同居関係や、感情を母体の中に置いて産まれてきた様な中野を突き動かした一瞬の重なり。非日常の応酬。
そしてわかってくる二人が持つ背景と関係。
ハリウッド映画並みのドンぱちやカーアクションを、淡々とした主人公の視線で語られるギャップも面白い。
何より読んでてワクワクしたのは、二人が互いに互いをどう思ってるかが他者の視線に映る様や、相手へ伝える短い言葉が兎に角色っぽい事でした。
凄く楽しかったです。
確かにハードボイルド。
ネタバレ
2025年3月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ そして、さらっとBLで、性的描写はかなり控えめなほうかと。
殺し屋が襲ってくるし、組織的なものや、中野の生い立ち、家族までも虚偽の事実がまじっていたりと、なかなか練り込まれた話です。
そして、ボディガードのように、中野のそばにいるケイ。あんなに飄々としているようで、実は中野を一番に考えてるし、ほかの殺し屋仲間もびっくりする執着もあったり。展開も早く、大変面白く読まさせてもらいました。糖度は低めでもわりとよかったです。
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作家名: エムロク
出版社: KADOKAWA
雑誌: 角川文庫