先生の作品は『馬鹿とハサミ』『何でもいいから消えてくれ』を読んでいますが、それらに比べてアクが少なく読みやすかったです。先生の描くキャラは(特に攻め)繊細さと獰猛さの相反する性質のものが共存しているかのような絵で、強烈に惹かれます。射すくめられるような目力に圧倒されて、怖いような嬉しいような気持ちになるから不思議です。枝葉を取って幹だけ見れば、先生×生徒のありがちな設定だけど、枝葉の付け方や色の入れ方に熟練度の違いがあったと思います。碧の気持ちの変化や2人の距離の詰め方は自然で、それでいて飽きさせないストーリー展開はさすがでした。