お買い得感あるセット。価格が内容の割に高いと思えるHQが結構ある。HQは品質にバラツキがあるから。先に読んでみた勇気のある読者のレビューを重視、出来栄え一定以上と思えるものにしか手を出さない。試し読み出来ないものは手を出し辛く、セットは先頭の作品しか読めないので、残る作品は作家の腕が未知数だと踏み切れないことが多い。単品であってもよくこれは高いという残念なのがあるが、セットとなると抱き合わせ販売されて品質よりも数合わせに売らんかな作品を掴まされた感一杯になることが多い。ところがこのセットには損した気がしない。むしろ、ストーリーだけでも三作とも存在感を持つ。
私はHQで小越先生を知ったが、このセットになった先生の絵はいずれも先生の他のHQ作品と相対比較して綺麗だ。時間をかけて何をどう描くかを吟味され、一本一本を選んで線を引かれたと見え、絵の良さを感じる。
そして、収録作品が互いに似通っていない。
「百パーセントの男」ー 性的妄想と現実を繋げた感じの異色作。私自身のここへのレビュー書き400冊越え記念としても、新領域HQへの一歩を残す感じ。際もの?のような題材なのに、ある意味ヒロイン自身をもその性的嗜好を持つ形でまっすぐ扱っていることに、ビックリする。
ほぼほぼレビューの八割以上(もっと?)をHQレビューにしていても、これはこれはホントになかなか珍しい。HQ って、よくもまぁこんな人がいることになってるな、というあり得ない設定で成り立つから、これも有りか?ただし、刺激や過激を打ち出してきておらずビジュアルには煽られるわざとらしさもなく大丈夫なので、そういうあり方も、ひとつのカップルの形だと考えられれば読めると思う。この作品評価は人により厳しいかもしれないが、意欲作という意味で私なら星4.8位。
「豪雨のあとの奇跡」ー HQとして直球。天候に感謝?みたいな。手抜きなく描かれた安定の展開。間に挟まれてるのにこの作品がまとめ売りに選ばれてるだけでも買って良かったと感じる。星5.5。
「罪深き娘」ー 小越先生はこのジャンルは随分描かれてると思うが、水準の高いものが収蔵された。頁数以上あるみたいに楽しめた。
星5.4超。
先生の絵は、私には女性の眼が大きすぎると感じることが多いのだが、今回不思議でならないのだが、このセットに納められている三作とも、女性の眼が不自然とは思わなかった。男性も魅力があった。