天才の孤独と愛が描かれています。才能は愛まで歪ませ、自分自身をも孤独に追いやってしまいます。でもその才能故にヴァイオリンを弾かずにはいられない。愛する人はいる、でも寄り添うのはその人ではなく寂しさを分かち合える人と。愛する人には天才の孤独は決して理解できないから。心はもう愛する人のところに置いてきてしまったから、あとは抜け殻の自分を抱えながら生きていくしかない。そんな抜け殻の自分を愛してくれる人がいて、自分はその人と生きてく・・これはそういう話です。空っぽの自分を愛してくれる人がいるなら、それが本当の愛ではないかと感じました。いや、もう愛でなくてもいい。全ての登場人物の幸せを願わずにはいられません。