「その世」という異世界、その世界の中でさらに特異な国オライエに飛び込んでいくという、二重にエキゾチックな世界観が楽しいです。そしていきなり主人公が当て馬というのも面白い。
正直言うと私は、ショタ系で年上が本気で恋愛感情を抱いてしまうのは苦手ですが、少年期に関しては、とにかくムスティアの可愛さとカッコ良さだけ見ておくことにしました。11歳にしてこの聡明さ高潔さ……と、年齢相応の儚さのアンバランス。細い肩に負った使命感とジレンマが切ないです。18歳になったムスティアも期待通りの麗しさで、できればそこからをもっともっと見たかったぐらいです。
シリーズ3作が出揃って気づいたんですが、この『地図にない国』の表紙に描かれている“手”って、ムスティア自身の手だと思っていたら違うのかも? 華奢だけど大人の手。中面(たとえばp34とか)と比べると違いは歴然。シリーズ3作とも、攻めのバストアップと受けの体の一部なんですね。