20巻と知って長く感じましたが、読み始めるといっきに読んでしまっていました。その上で、正直まだまだ足りない。誰々とくっついたからハッピーエンド、みたいな確かな形が築かれたわけではなく、今後への想像の余地をいくらでも残した状態でゆるやかに終わったような印象です。
ストーリーは、歴史が苦手な私としてはピンと来ない内容で、正直あまり理解できませんでした。
一般人のはずだった主人公が、冒頭から突如現れた男に「姫」と呼ばれて彼のなすがまま状況が2転3転していくお話。
なんのジョークだ!と思いきや、よく分からないが本当に姫の血筋だったようで、その後最後まで姫として扱われたり振舞ったりする展開となります。
とはいえ現代のお話なので堅苦しいやり取りは一切なく、はるこさんらしいキャラ同士の笑える軽快なやり取りメインで進行していきます。
現代なのに、「お姫様なんだね〜」と周りもすんなり受け入れてるのには疑問が残りましたが…。
タイトル通り家臣を名乗る怪しげな男・政永を最初はどう考えても信用できない千代でしたが、その好意を信用しても良いのか確かめる為に一度抱かれてしまおう、という考えで身体から関係が進展していくとは驚きでした。信じていいのか不安な千代と、信用してほしいと愛をささやく政永との、大人の駆け引きがドキドキして良かったです。
信用して良いのか怪しい要員として、主人公の実弟が出てきたりも戸惑いましたが、笑えるやり取りが面白くて最初の印象よりも可愛く思えてきたりしました。
そして何よりもツボをついてくれたのが、主人公の「犬」として主人公に仕えるために幼少の頃より躾られてきたという、葦切さんの存在。
犬ってなんやねんとかツッコミたいことだらけでしたが、シチュエーションやキャラ萌え的には最高な人でした。
最初無感情かに見えた彼が徐々に主人公に惹かれてゆくのと同時に、意思表示するようになっていくのも萌えました。
でもあくまで主人公の犬であり続け、恋心をあらわにすることはない徹底ぶりが切なかったです。
下手に手を出して主人公を悲しませたりしない所がとても葦切さんらしくて好きな所であり、ちょっとくらい手を出しちゃえば良いのに!と思ってしまったりも。
いつも政永とのイチャイチャを黙って見守ってるのだと思うと辛すぎる…。一度一緒に目覚めた時ほんとに何も無かったのか疑い晴れてませんが(笑)