ネタバレ・感想あり甘い水のレビュー

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ちょっと待って…
2022年3月18日
本作も、ずっと読もうかどうしようか迷っていた作品。

でも、どうしても読みたくて読んでみました。
…ちょっと…
ところどころ、息を止めながら読みました。
思っていた以上に心にきて、狼狽しています。
心が小刻みに震え続けています。

若者の苦悩、閉塞的な世界。
優しさ、美しさ、怒り、存在の軽さ、不甲斐なさ。
どうにもやりきれないのに、心に残るのは圧倒的に美しい何かだと感じる。

松本先生、素晴らしい表現者ですね…。
レビューに共感。
漫画を超えて、私も純文学だと感じました。
地方のリアル
2018年6月17日
最近ふとしたことで松本剛という作家を知り、絶版となっていたらしい本作を読むことができた。「伝説の名作」的な扱いだったこの作品は、実際その評判に違わぬ読み応えだった。
東京のような都会よりむき出しの暴力性に歪んだ地域社会に擦り潰されるあまたの少年・少女の存在が現実にありうるだろうことを、地方出身者としてこの物語は端的に確信させてくれる。
読後感はひたすら黒く、重い。その中でもあふれんばかりに漂う詩情…著者の作品についてよく評されるとおり、これはもはや「純文学」といっていい。
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作家名: 松本剛 / 板垣久生
出版社: 講談社