一人で飲食店を切り盛りする三嶋と雪の日にボロボロの野良猫のように現れた男・通称のら。二人の予防線と逃げ道が絡まってすれ違ってぶつかって惹かれ合う、大人になりきれない大人未満な男たち。
客あしらいのうまい三嶋は見た目どおりのチャラい男で、のらと偶然ゲイバー近くで出会ったのをいいことにセフ レのような関係を提案するところが本当に軽い。
それでも、のらと過ごす時間が増え、のらの過去を知ってからは今の軽い関係は良くないと考え直すところは好感が持てたけれど、それは三嶋が無意識に張っていたただの予防線。
のらも傷付くこと・居場所を無くすことを怖れるあまり、三嶋との関係が深くなりすぎないように逃げ道を作ってしまい、そういう気持ちは誰にでもあることだからある意味リアルだなと思った。
しばらくしたら三嶋の軽くてチャラいところが再発しそうで心配になる。