「本当に、やさしい。」は母への愛の渇望と狂気を描いた戦慄的作品....私生児で幼ない頃から母と関係を持ったゲイの悟と裕福でも孤独で未熟なゆうとの出会いを通して、幼児期に母の愛情を得られなかった情性の欠如と狂気の恐ろしさにゾッとします.....
「パンドラ」は時代物で母への愛と慕情を描いた、錠前破りのゲイカップルと罪人の心暖まる話。
「昨日より.....」と「すこしだけ....」は学生時代の進路により遠く離れる友達に強引に秘めてきた想いを遂げる話ですが、特に「すこしだけ」の方はその後結婚して普通に友人関係を続けるけど、結局はお互いの深い想いに気付く....子孫の為や家の存続、世間体で結婚はしても、紀元前から世界中にある様に同性愛(ゲイ)は純粋な欲望かもしれませんね.....
表題作「ソルフェージュ」は音楽教師と元生徒の胸が熱くなる恋愛で、家庭環境が悪くヤンキーの吾妻は体は大きく大人に見えてもまだまだ子供で超純粋無垢。性的にも超オクテなのを教師でゲイの久我山がつい手を出してしまい、愛情に飢えてる吾妻が夢中になり結局引き離され、でもお互い忘れられず、久我山の葛藤、執着、挫折の後10年後の再会.....もう素敵過ぎて心が震えました。
こういう波乱万丈な人生の物語を描かせたら、よしなが先生の右に出る人は居ません‼