見るからにまっとうな生き方をしてるなりをしてるも、それを最初は嘘だと思う。接触するうちに違うのかなと。自然にいくかと思えばいやいや騙されるな、と、戸惑い隠して疑い続けようとするも、結局確認。もうヒロインに魅力を感じている自分が(←ルチアーノ)。だって職業考えると嘘もない。そっちを確認しなさいよ、勤務履歴ですぐわかる。
それでもこれはお話だから。
赤ちゃんの親権はHQ定番中の定番。でもここはあれ?、最後にバレるヒロインが隠してることが、簡単に事が運んで拍子抜け。自分で「名士」を名乗る彼、しょうもなさ過ぎて笑える。
惚れた方が負け、というなら、二人のシーンで少し甘さを足しておいて欲しかった。けれど、17か月待った、という下りは胸が痛かった。部下も家の使用人も皆憎めない。彼が本当は繊細で、優しい人、というのをヒロインが見抜くのもいいところだったと思う。クライマックスとはいえ告白シーンに少しドキンと来たかった。羽生先生の描かれる綺麗な絵が、ここに感情的な盛り上がりより、端正さを狙うのが、私的にはウーン、なのだ。
ドラマ的に、なんだ、そうだったのか!、というのをより味わって見たかった。そこにお話の主眼がなかったと言っても、物語終盤のただただ筋が絵になったという感覚ではない、「読んでる」気分よりも、二人を「眺めて」、互いに、相手の想いを、または相手へのどれだけ想っているかを、より感じ取りたかった気分が残った。
ただ、私が読んだ羽生先生の他のHQ作品よりも、時間をかけて読めた。
双子ものは、ホントにHQには多いなぁとつくづく思う。
蛇足:私の甥っ子は、その月齢で哺乳瓶を手で持って飲んだ。(私の娘には全然出来ない事だった)
「マンマ」は言えるかどうかまでは記憶に無いけれど、多分喃語(つまり大人は特定の意味付けを取りにくいが、言いたいことを、赤ちゃんなりに発声出来る音声で、表現を試みてる)として、かなり言ってたような気がしてる。甥っ子はもちろん、それなら我が娘も。彼等なりの言語は早くから発してる。