キッサン先生の短編集①に収録されている「矢継ぎ早のリリー」は吸血鬼のお話でしたが、こちらでは遺言執行の別の案件のお話を読むことができます。エピソードは遺言ごとに全然雰囲気が違って千差万別。こんなに多様なケースが次から次へと出て来ても、一本筋が通っていて統一感があるのは、根底に流れるものが「愛」だからだったのだとラストを読んで思いました。短編の時には描かれなかった、リリーたちが何故この仕事をしているのかについてにも触れられており、色々思うところがありました。2巻で完結していますが、もっともっと色んなエピソードを読みたかったです。
世の中には「気付いたら死んでた」っていう人も多いと思うので、死んだ後に残せる遺言って便利だなと思いましたが、理想は心残りを作らないように生きることなので、できればリリーたちの世話にはなりたくないかな~。