彼の仄暗い雰囲気と、縛るのが好きというサディスティックな一面に驚きましたが、普段は素敵な皆が憧れる上司だからこそ、このギャップに萌えてしまいます。
1巻冒頭「別れようか」と言われるシーンから、2人の馴れ初めエピソードが綴られていくので、「どゆこと?何故別れ話に?」と気になるのもあり、それ以上に上司と部下の関係である2人がどうやって恋人同士になるのだろうというドキドキ感でいっきに読み進められました。
絵もとても綺麗で、細部までリアリティのある描写をしてくれているおかげで、キャラクターの魅力がより伝わってきました。
上司である誠司さんは、親に愛されなかったが為に愛し方が分からず、恋人が出来ても「自分は捨てられるような人間だから、どうにか彼女をつなぎ止めたい」という思いで、縛って安心感を得るという特殊な性癖になってしまいました。
そんな自分をおかしいと理解しているし、そのせいで前の彼女が離れていったことも十分に理解している。
でもやめられない、そんな自分が嫌い、だからもう恋人なんていらない……そう思っている彼の前に、彼女が現れたのです。
誠司さんは自分を嫌いだと言うけれど、好きな女性に告白された時に「俺サドだけど、いいの?」と秘密にしておきたいようなことを1番に告げている辺り
とても誠実な人だと思いました。
まぁ後から知って引かれたくないから、先に言ったのもあるのでしょうけど。
そして、「さどってなに?分からないけど、好きだから何でも受け入れられる!」と彼の胸に飛び込んでいく深雪の純粋さ、真っ直ぐさ、無鉄砲さが、心に闇を抱えている誠司さんにとって手放し難い光となったんでしょうね。
でも誠司さんは自分で思っているよりもずっと魅力的な男性ですから、深雪は確かに幸せなのだと思います。
縛られるのも、そこに計り知れない愛があるのなら、愛を実感できる行為であるのなら、良いと思います。
誠司さんの愛が欲しくて何でも受け入れる深雪。
彼女がどこまでも自分を受け入れてくれるからこそ、誰にも愛されないと思っていた彼が結婚まで意識できるようになったのだなと、感慨深く思いました。
愛のカタチは人それぞれ。とてもお似合いだと思います。
彼に支配されつつ愛を感じられるエッチシーンもとても魅力的ですね。
仕事面で頼れる上司でもある素敵な男性に、縛られるほど愛されたいです。