非常にデリケートな題材を上手に恋愛と絡めて進めてゆくストーリー構成。
強引さもなく、ファンタジー過ぎず。
すぅっとお話に引きこまれ、ふたりの関係の影の部分やそれぞれの想いの臆病な部分を読み手に少し投影しながら共感さえしながら読み進めました。
謝罪や反省では償いきれない心の傷はどうしたら癒えるのでしょうか。
糸永くんがどれだけ優しくて可愛くて素直な子であろうといわれなき暴力の記憶はなくなりはしない。そして、その子を愛している人の心にも暴力を残します。
真田くんの謝罪を含めたシーンで糸永くんが静止しますが、これが別の展開であればこの作品のリアリティは格段に下がったのではないかしら。
そういった細々としたふたりのシーンの積み重ねが無かったら些末な印象が残ってしまったかもしれない。
そんな関係のふたりですが、とてもエロティックシーンが多く、とてもエロくw、とても切ないです。
二度エロと言う言葉が出たくらい致しますが、そのシーンはどこをとっても切なく可愛らしく愛情が深いです。
良いシーンです。
先生もおっしゃってますが、1巻は繋がりを。2巻は束縛を。です。
大好きな作品です。