ものすごく綿密に作り込まれた世界観で、深く厚みのあるストーリー、展開も波乱続きでドキドキワクワク、繊細で美しい絵柄は眺めているだけでファンタジーの世界に誘ってくれます。物語の後半に入ってもドンドン話が拡がっていくので、正直なところ読んでいる途中は「これ、ほんとに5巻完結?打ち切りとかじゃないよね?」と不安がよぎりました。しかしそれも杞憂に終わり、足早ではありましたが、きちんと伏線は回収されて読者が置いて行かれることもなく、納得の堂々5巻完結。ジャンプ系の少年漫画の定石のラストではあったけれど、主人公が最後に気付いたことは人間の本質だなと思いました。いやほんと、濃いお話だった、10巻くらい読んだ気がする。描き切れなかった設定の詳細は、余白のページに書いて下さっていて、それがまた滅茶苦茶ちっさい字でミッチリ埋め尽くすように書かれていたので、作者様の作品に対する熱量が伝わってきました。拡大して必死になって読んだけれど、あまりに小さすぎて解読できない字があって悔しいです(笑)悔しくなるくらいこの物語のことを少しでも知りたいと思ってしまう自分がいます。こんな名作に出会えるなんて、漫画読んでて良かった~って思いました。レビュー数が少なくて歯痒いです。もっともっと多くの人に読んで欲しいし、作者様にはこれからもたくさん作品を生み出してもらいたいです。応援しています!