「やっぱり僕には君が必要なんだ、どうしても。」
コレですよ。こういう台詞を味わうのがハーレクイン。
なんだかんだ結婚にたどり着くのは、いくら表向きの理由が他に有っても、嫌な相手ではないのだし。
これまで沢山の女が居たとするにはもう少し、そのモテぶりを納得させるキャラであって欲しかった。
ヒロインの両親の暖かさ穏やかさ、もう少し見たかった。アツアツはわかったが。
それにしても、ストーリーの設定上のこととはいえ、父親の若死とか、 ストーカー氏の諦めてくれないしつこさだとか、意外に波乱要素あるのに余り読み手として揺さぶられた感は強くなかった。
ヒロインの気づきは遅すぎる気がしてしまう。
利用された被害者である彼の、傷が気の毒で、人間不信は仕方ないな、と。
純粋なものを、傷つけられない彼の気持ちも伝わって来た。
子供時代の話が、彼が並大抵の苦労人では無いことを理解させられ、一方、ヒロイン父の早世はこのストーリーに必要か疑わしい。
表紙の(メインキャラ二人の)ポージングが荻丸先生はいつも独特なので、意図はすごくいいと思っているが、何かの比率がアピール力の脚を引っ張っている気がしてならない。より荻丸ワールドの訴求力を高める何かを得られたら、私にはそのプラスアルファが何かは解らないが、きっと誰よりも表紙で手に取らせるHQ作家なのにな、と思う。
読み返したら、最初に読んだときは何てことない筋と特に凝った服装もなくスルスル読めてしまうちょっとイージーさをうっすら感じて甘めの星4つにしたが、ヒロインが無意識にその魅力、彼のヒロインに感じている魅力が、自然体で幸福を呼び寄せているな、と思い直し端数上方調整気分。
星数は4つで不変だが、私の中では、初回読んだときは3.7か3.8くらいで、二度目は4.0から4.1に来た。ちょっと彼の立ち回りに出来過ぎ感を覚え当初はストーリー進行は安易と思った。彼のヒロインを大切にしている気持ちを勉強してあげた気持ちで4星にしてた。読み直すと、ヒロインのことを気にして動く彼には、適当に遊んできた女性達のポジションとは違う対応が描写されていることで、彼の嫌われ覚悟の洗いざらい告白とバランスを取ったなと思える。要所要所に舵をきった彼の唐突さを、最後の告白で説明する構成。最後にまとめ説明するのは火曜サスペンスのやり方の様で好みはあろうが、体裁は付いた。