最近BLをかなり読むようになって来て、人気作品は片っ端から手にしているが、レビューはまだまだ数えるほど。なかなか書く気になれない。高評価作品でも共感しかねるものがある。レビュー数が多くても私の満足水準には遠かったりがする。性的描写しかない作品も多い世界だから、書き辛いというのもある。
しかしこの作品は、そんなシーンばかりではなく、寧ろ抑制の効いた場面にこそ味のある心象風景を感じさせて、恋の悶々を、扱っていて良い。
だから、一筆と思ったのだ。(後日星4に変更。いい線行っているのにもう一度繁華街の偶然はないな、と思い。)
同性同士を常態化させている世界を繰り広げるものも少なくない中で、なかなか二人が簡単には思うように進まないというのが、絵の雰囲気にピッタリ嵌まる。暗い所で出会って徐々に堂々としてきた感じ。それでも心の中で相手のことを求めてる。堂々と言葉や態度でアピールする形で詰めきれない、何度か会っても片思いと大差ない状態。
会えない時間の苦しさ、手の届かない気持ち、安易に気持ちが確かめ合わせられないもどかしさがよく出てる。
出会いの場所が場所なのに、どこでどう、というよりも、きれいな絵で、出会った事実の方が、大切にされている感じ。「けど、未来の俺だから」がいい。_
風俗的な場のいかがわしい雰囲気より、主人公の想いの盛り上がりはよくて、どこかさっばりした読後感。もう一作も、ふと出会い、会うことを重ねていって思ってしまうこと。その思いの掬い取り方が、味わいがある。
しかしBLの一冊完結のコミックスは何故か作品A-作品B-作品Aのおまけ、という構成が多い。続編でなければ、当初商業化の一発目の一冊もソレ、ということも。そして、おまけ的な位置で巻末では二人の濃い目ラブシーン披露、というのが多い。(ダヨオ先生「YOUNG BAD EDUCATION」「YOUNG ? EDUCATION」も)これもその形式を踏むも、本編で当初から二人の性的関係描写はあるので、バランス取ったか?
そもそも同性でも異性でも社会との絡みを除けば、あとは両者の意識だけ。そこを越えた前提の話なら、こと二人の間ではストーリーは変わりがない筈。けれど、特異的にTLの対極にあるものが多い。性的なジャンルであるのは避けられない宿命はある。だが、ひと括りにせず、H中心かストーリー物か分けて欲しいと思っている。
ただ現実問題、こういう作品が境界線にある。