好きになっちゃったらもうそれはしょうがない、と私は思うので、自分を押し止めようと何度も頑張ってみても結局諦めきれない、という二人を固唾を飲んで見守った応援者の気分。本気なのだから、二人の感情それだけで十分、悪い展開にしないでね、と願いながら読んでいた。
そのコソコソも恋愛漫画として良かったが、もっと嬉しいのは、周囲のありよう。人としてどうよ、という感じがなかった。
絵柄は正直私の好みとはちょっと離れていて、特に瞳の描きかた、素朴であっさりしたビー玉、新菜の顔アップとなると全体として幼い印象であり、男子に少女漫画的な華がないことは(自称王子は別として)、恋愛真っ只中のキラキラを減らしてる。服の趣味には本当はもっと垢抜けた感じが欲しい。モデルで人気出てる、と来れば存在感の強さ欲しい。途中、小田さんより平井くんが輝きを持つ見た目になるのは致し方ないが、5巻くらいまでと7巻の両者は、まるでそっくり入れ替わったかの印象で、ちと読者心理がもたなくなるならないか?
でも、話の展開に絡むキャラ達の思考や言葉の選択には、先を読みたくさせる巧みな推進力があって、完結まで二人の経過を楽しみにしている。
微妙な時期は過ぎたから。
(途中でうまく行くカップルは最後は…という話は世の中に一定数見かけるパターンではあるが、それは絶対止めて!、と、今は手を合わせて心底から祈る気持ちで見届けている。)
この後春田なな先生「チョコレートコスモス」を再読しようかな。
教師と、とか、義兄弟と、とかは、少女漫画好きな私にも大好きな型(BLにも頻出)。身近に実例ある上、他にも、十代のときは、生徒の高校大学卒業待って結婚した院卒女子の話も聞いた。相手が誰であったからと知って引くことは結局出来ずに、悩みながらも好きになった気持ちで前に進んでく、というロマンス物は私の大好物だ。
完結巻まで読破。ドロドロせずに暗さも持たせずに二人は育んでいきました、マル、と言う感じ。
普通に出逢って恋人になったつもりが、お互い相手のことをしっかりと知ったらそういう事だった、というフツーっぽさがいい意味で良く出てた。
平井君が悪い意味で少女漫画展開の立ち位置。メインの二人の恋路にあくまでほどほどにアピール。
三十数年の時の経過が視覚的には最終頁以外解りにくかった。
喫茶店場面内部の描写はもっと欲しかった。