前作MO/DSのスピンオフで、前作でシロが働いていた男性向け風俗店のオーナー・春がメインです。こちら単体でも読めると思いますが、前作も読んでいた方がより内容の理解が深まるかと思います。
今作もナツメワールド炸裂で、ヤクザな世界を舞台にまたまた切ない仕上がりになっています。時雨に会ってやっと春が救われたと思った矢先に時雨が事故に遭い…。ただ愛する人を失うだけでなく、それが自分の責任かもしれないと絶望する春が本当に辛かったです。11年もずっと自責の念に悩まされていた春が、時雨の弟・雪鷹に出会って、救われて良かった。雪鷹が最初はただの若造という感じだったのに、春と出会ってから徐々に本当の「男」になって格好良かったです。春も時雨もお互いを必要としていたけれど、春と雪鷹も同じくお互いを必要とし合っていて、お互いを思うが故に自分を犠牲にしようとするところでは胸が痛くなりました。本心を言えば、春も雪鷹も二人とも組に留まらずに幸せになれる道があれば良かったんですが、このエンディングでも仕方ないかな。雪鷹と春、住む世界は違えどこれからも支え合って生きていって欲しいです。