メンタル系や発達系の漫画って、良く知らないくせに書いてるよね?面白くしようとして盛ってるよね?という作品が多いが、こちらは作者の方が当事者だったようで多少の脚色はあるかと思うが、詳しく患者の心の動きや辛さがわかる作品になっている。
読んでる側が「母親のくせに」「甘え?」と感じてしまうタイミングがあるのも、リアルに描いているからこそなんだろう。
私も完全な産後うつだったと思う。原因は孫フィーバーになった義両親に産後間もなくからしつこく居座られ(産院に入院中、毎日数時間居座られた。シャワー後で髪が濡れてても、夕食が運ばれてきてても。いつも居座られていたので昼寝なんて出来た記憶がない。)、全く産後の体を労れないまま退院したせい。
産後半年くらい、仲良しの友人に会う気も起きず無気力になり、姑に殴り掛かりたいくらいの憤りがあった。子供に触られるのが嫌で嫌で、バイ菌のように思っていた。着信を見たら動悸がしていた。意味もなく涙が止まらないことが何度もあった。どう考えても普通じゃなかった。
普通は赤ちゃんが産まれたらジジババにも望むまま交流させてあげるもの、良い奥さん、良いお母さんになるもの、と自分や周りの思い込みを叶えねばと無理してしまって素直な振る舞いが出来なくなって追い詰められていた。
辛くて旦那に助けを求めたが、「親のやることは俺のやることではないから知らない。言われても困る。」と突き放された。
作中の旦那さんは迷惑な顔一つせず寄り添ってくれ、お姑さんも意地悪や追い詰めるような言動がなくて羨ましい。
私は明らかに異常なメンタルになっていたけれど、誰からも助けてもらえず、自己防衛のために姑に冷たい対応をしたのも、意地悪な嫁と思われただけで片付けられてしまった。
無理せずしんどいと言えば良かった。
昭和の頭の人間は、甘えだ言い訳だと言って寄り添ってくれるとは思えないが…
産前産後のママは本当にデリケートで壊れやすい状態であると周知されたらいいなと思った。