80年代から90年代中頃まで連載していた作品。レイバーというロボットが登場する内容であるが、SFなんて何処へやら、徹底して現代日本社会に根差した背景で、親近感まで感じてしまうほど現実的。漫画とアニメは新しい物ほど洗練されていて良いと思っているが、この作品は80年代に描かれながら、物語設定、展開、登場人物、心理描写諸々、その全てが洗練されていてグイグイ引き込まれてしまう。同年代の漫画と比べても傑出しており、作者は真の天才ではないかと思うくらいである。まさに完璧、今後も語り継がれるべき歴史的な一作であると思う。
しかしこれが少年誌で連載されていたことが驚きだ。警察や会社内部の話とか登場人物の考え/行動の緻密さ等は、大人になって社会に出ないとその描写の凄さは分からないだろうに。