試し読みの段階では、高校時代からの両片思いでくっ付くまでのドタバタ物語かなと軽く考えていたのですが。実際に読み始めたら、予想以上にシリアスな展開に胸がぎゅっとなりました。心を病んでしまった母親に苦しめられる真城が、かわいそうでかわいそうで・・・。どんどん追い詰められていく真城にとって、唯一安らげる存在が奏だと思うと切なすぎます。全3巻の内、2巻で2人の結び付きが強固なものになった気がしてお気に入りです。ちなみに3巻は、個人的に中弛みした感が拭えませんでした。奏の家族の問題が取り上げられましたが、私には理解のある家族にしか見えず、奏がそこまで悩む理由がいまいち理解できませんでした。1巻から2巻までのスピード感がとても良かったので、ちょっともったいなく感じました。