住まい提供の善意にその合理的根拠として職が与えられ、男女がひとつ屋根。遠慮ややましさで恋人に発展する見込みが小さい中で、ライザグッジョブで二人は新展開。それでも踏み越えてこない彼ブライアン。
中学生の年代で恐ろしい体験をしたヒロインのトラウマは大きかったが、乗り越えるきっかけとなる事件が、いたずらの域を越えてる。
それをあっさり許して後日談長い。その後を見たいとの読者の声がHQには多いことは承知しているが、私にとっては多少終盤ダレたなと思うところ。
それでも、悪巧みにはまって、「誰か(私を)助けて」、から、彼を助ける為に動いての、「誰か(彼を)助けて」、が巧みな展開で素晴らしかった。
ただし、悪質ないたずらに対して、その行為に重さを与えないよう、パリでも「キー」と言わせて地団駄踏ませる画面を挿し入れた手腕。巧みだ。その方向感を裏付けて、そこは物語が締まったと感じた。厄介な人間が元気でいて読み手としては心中複雑ではある。
ライザグッジョブと書いたが、キューピッド役は大勢居る。ヒンソン先生、ローズさん。
メレディスとミセス・パーセルを除き。
筆談の台詞をメモ用紙で描写されているところ、漫画が雰囲気を大いに助けている。
ピアノのシーンだとか、毎度ながら藤田先生の描かれるいい雰囲気の二人の絵が抜群。