ネタバレ・感想あり月と金のシャングリラのレビュー

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切ない
ネタバレ
2024年2月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 世の中の多くの人は誰も戦争をしたくはないのに、いつの間にか巻き込まれてしまう。なぜどの文明も侵略の歴史が尽きないのか。ここまで人が進化しない原因はなんだろうと虚しくなります。
儚いから美しいのか?
まるでその絵の中の世界にトリップしたような錯覚を得られる作者の画力に脱帽です。
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生きとし生けるもの全てが幸せで…
2023年11月30日
この時期(1940年代、特に最期の年)のその地域のことは従来より関心が特に強くて、世界史で学ぶただの第二次大戦後の一部の事として断片的にしかまだ判っていなかったから、その漫画があるとシーモア(島)で知ったとき、巡り会ったとの気持ちで胸が高まった。よくぞ描いてくれました、という気持ち。読んで今心がそこへ飛んでいって熱い。溜息も。喪失感も。
ただ、読み手を引き寄せるためなのか、少しテイストを付けたことは、私には複雑な想いも。地図と歴史から想いを馳せてた私の気持ちにとってみれば微かに異色。
もちろん、その工夫が有ったからこそ別の意味で未開拓な層を呼び込み、新しい関心を拡げた効果もきっとある。

しかし私は価格の関係で読めたのが今日になってしまった(2巻構成のため足かけ1年以上かかった)。ポイントが潤って還元もアテに出来たから。
読み終えて、「生きとし生けるもの全てが幸せでありますように」がこれ程響いてくるものはないなと、改めて思う。宗教観は世界で多様だけれど、他人が力でどうにかしようという考え方は相容れない。自ら信じるかどうかの気持ち。
そしてそういう時代だったのだからと、その起きたことが許されることはない。野心が蹂躙する様は心痛む。これは道徳心にも関わる。こうした史実を見つめなければ多分現代の世界情勢に活かされない。

そんな世の趨勢とは別に、彼等の日々の描写、言葉や習慣、食物や勤行など、読んでいて今まで遠かったものごとが、視覚化されたことでとても分かり易く感じられた。助け合い、煩悩を戒めて自然と生きる姿は、人間として清潔感もあった。子どもならではの、お菓子などを楽しみにしたり親のことを考える姿も、見ていて和むし、血が通ったストーリーだった。
緻密な装飾の入った絵など幾つも描かれていて、それらには大変圧倒される。
チベット仏教に惹かれずにはいられない!
2023年9月27日
チベットに行った事もなければ興味もない私でも、なぜかバター茶でツァンパをこねたくなる魅力あふれる作品です。お話はブロマンスなのでBLを期待してはいけないよ。それでもドルジェの肉体美と爽やかな笑顔のギャップ、それらをくるんだ重そうな色気ない僧衣にさえ、圧倒的フェロモンを感じずにはいられない。何かを失う代わりに、別の何かを得ているようなラストシーンも最高。※1巻末に登場人物紹介がありますが、軽くネタバレしてるのでスルーして読んで下さい。
禁断の恋
2022年12月9日
1945年、チベット。
幼い頃、寺院で父親と離れ離れになった、ある少年の物語――。

表紙に一目惚れした作品。
カテゴリは女性漫画ですが、この作品、BLじゃないかな…。
この息を潜めるような、胸に迫る息苦しさが私はものすごく好きでした。

1ページ1ページ、当時のチベットの風景や寺院が圧倒的な筆致で描写されています。
乾いた風の温度まで感じるような精密な描写で、読んでいる間 日本にいることを忘れました。

なぜ幼い少年は寺院に置き去りにされたのか――
その背景が次第に明らかになっていったとき、それぞれの人物の深い思いに、とても複雑な気持ちになりました。
物語の一番最後の台詞に、作者様のチベットの歴史に対するゆるぎない思いを感じたり。

絵もストーリーも、ものすごくドラマチック。
この作品、すごかった。オススメです。
ブロマンス最高!
ネタバレ
2021年10月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ チベット僧のお話です。ダワが健気だし登場人物全員穏やかで優しい崇高な世界観。絵がとても輝いていて、肌の温もりや滑らかさをとても感じる。お坊さんを邪な目で見るの良くない!ってハワハワしながらドルジェの踊りや脱いだところみるとドキドキが止まらないです。ダワめっちゃキレイ。後半だんだん不穏になってダワとしてはハッピーエンドではないのかもしれないけど、ドルジェと過ごした平和な日々を心の糧にして強く優しく生きていくんだと思う(涙)
ガワン先輩も大好き!
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作家名: 蔵西