おじさま受けはたまに読むのですが、くたびれたおじさまが多いので、この作品にでてくるダンディさんはきちんと身なりも整えていてかっこいいおじさまは新鮮でした。他のレビュワーさんもおっしゃられている通り酸いも甘いも経験してきている雰囲気。ダンディさんの境遇というかも今まで読んだどの作品とも違い、うん、でもダンディさんなりに考えて生きてきたんだなって感じました。攻めの伊部さんもそれなりに歳を重ねていて、若さゆえにがっついているというような恋愛というよりは、昔の古傷をえぐられるような気持ちになりながらも、けれどお互いを求めずにはいられない、そんな少しほろ苦いような恋愛の味がする作品でした。私の性癖にぶっささるお話ではなかったのですが、この作品をベストの一冊に選ぶ方がいるのもわかります。私もたまに読み返すようとして持っておこうかな。