絵がカワイイ。特に年少の第5・6・7王子の交流はほっこりします。「ぎゅー」って言いながらハグする場面には可愛さに悶絶しますw
でも、設定には多々違和感を感じました。
孤独な第7王子ライが、母親の違うすぐ上の第6王子ジャンカルロと知り合い、最初はライを敵視していた第5王子ジョバンニともトラブルをきっかけに仲良くなったのはわかる。
でも、年長の第1〜第4王子が初対面?からライに好意的なのがおかしい。
ライが孤独だったのは、母親である第4王妃マヤが寂しさから国王の気を引きたくてライを王太子にしたいと言い出し、周囲が彼女とライを危険な存在であると警戒していたから。
それなら年長の王子達もライを警戒してもおかしくないのに、ライの才能に気付いた第2王子ベルトランドや、王太子である第1王子フェデリコさえも、それまで交流がなくまともに話したことのないライを「心配していた」と。
すでに国王の右腕として政務を執る優秀な第1王子と、彼の口下手を補佐する方針について、本気で喧嘩する第2王子と第3王子(喧嘩できるほど風通しがいい関係)…これだけで年長王子達が第1王子を時期国王として認めているのがよく分かる。
年長王子達は年の離れたライが自分達の立場を揺るがす危険な存在ではないと認識しているからこそ、マヤ派自体は警戒しつつも弟ライは可愛いと思えるのだろうと思われる。
つまり幼い第7王子を祀り上げたいマヤ派は、危険視されるほどの強い対抗勢力ではないということになる。 派閥を牛耳る貴族の姿は4巻まででもマヤとライの周囲に現れていないし、危険度合いが感じられない。
その割には幼いライに対する周囲の反応は過敏と言えるし、政争と家族の絆について、どちらもどっちつかずな設定だなと思いました。
前世の記憶を持った第7王子が、過去の知識やチート能力を活かしてバラバラだった兄弟の絆を深める、だけに特化したほうが良かったかも。