『コミックパーティ ワンダーラブ』のスピンオフ的な同じ世界観の物話。『コミック……』の主人公であるTOS先生の担当編集者で副編集長の副成と部下の新人編集者・柴咲。副成も柴咲も『コミック……』に登場していないから前作未読でも大丈夫だけれど、1巻にはTOS先生と雷蔵先生の話が載っているので『コミック……』も読んでいた方が楽しめると思う。
BLに限らず、漫画の中でよく見るナレーションやモノローグが実際に見えてしまうというのが面白かった。心の声が聞こえたり、感情がオーラになって見えるという作品は読んだことがあったけれど、ナレーション枠が意思を持って見せてくるとかファンタジーすぎて不思議とすんなり受け止めてしまった。
ストーリー的には王道で、あるあるな展開なのにナレーション枠の《わっくん》のお陰で副成の戸惑いやドキドキを見守る気持ちで読み進められ、柴咲が闇落ちしないワンコだったから微笑ましく読めた。
『コミック……』に登場したTOS先生の数少ない友人・中田が最後にちらっと出てきたのは嬉しかった。