多分読み終わった方皆風船のようにふわふわした不思議な感覚になるんじゃないかな、という珍しい読了感でした。一般的な漫画の構成とは違い、「主人公の内側があまり開示されない」のが特にその感情を増幅させてるように思います。ずっと読んでいてもどこか読者が蚊帳の外のような、そんな。ただ、それは不快感のある疎外感とはまた違い、「2人の私生活をただただ覗いているだけで、2人の心情までを詳しく理解することはもはや無粋」と思えるような、そんな居心地のよい雰囲気です。その空気感が最初から最後まで一貫されているため、「いやそんな情報なかったじゃん!?」って出来事があっても、「2人の中では共通認識だったんだろうなぁ…!」と思えてとても良かったです。面白い漫画というより楽しい。心がふわふわする作品でした。