ゲーム制作に携わる要(天才)と、三咲(凡人)の二人。ストーリーは主に、三咲が要に対して劣等感と嫉妬を抱き、挫折を乗り越え成長する視点で進んでいく。三咲が逆恨みし、八つ当たりをするたびに、ヒリヒリして、読んでいるこちらが苦しくなった。大学生ならともかく、社会人でこれは幼すぎると思う。これを等身大の感動するストーリーとして好きになるかどうかは、人によるのかも。一方、コミュ障の要は何年も三咲に片思いで、振られても振られても三咲へ執着する。要は自分の会社を設立し、三咲に「誘っても来てくれないだろうけど、今の三咲じゃ俺の会社に入れないよ」というシーンがある。それまでずっと、三咲の能力を上司にアピールしたり、「三咲は努力家」「三咲と一緒に作りたい」と言っていた割に、三咲の仕事の能力は実は認めていなかったんだろうなと思ったら、悲しくなった。男の嫉妬、挫折、成長物語に焦点を当てすぎて、糖度が低すぎた。(おげれつ先生の素晴らしい)イチャイチャも少なかったし、BLでなく一般の本にした方が、良かったのかな。