母親の血統とその清廉さから、本人の意思とは関係なく王子の婚約者に選ばれてしまったヒロイン。貧しいながらも自由で楽しい庶民の生活を奪われてなるものか、と変装して王子の執事になり他の女性を選ばせようと奮闘するが、全く上手くいっていない。一方、王子にとって彼女は初恋の人で、変な方向に拗らせている。彼女のどこかずれた頑張りで、当の王子に正体がバレるんじゃないか?とハラハラさせられる場面が次から次へと発生するのに、何故か!王子は、自分の執事と愛する姫をリンクさせることができず、もはやコメディーの域に達している。最新刊で、あそこまで頑張って、密着?して、共通の敵?を排除して良い感じ!になったのに、執事が愛する姫君に懸想しているんじゃないか?と明後日の方向に暴走していく彼は、もはや「残念王子!」の烙印を押したくなる。現時点で唯一、執事の正体に気づいている側近の頑張りを期待したい。