申し訳ないのだが、試し読みしてこの作品を購入するか、となると、自分は否だった。
とにかく導入が悪い。人間がどう立場が弱く迫害されており、主人公が見出されるに値する優秀さをどんな形で有しているのかということを、物語の始まりにおいて重要な部分、ストーリーが動き出す原因となる世界観を、たった1コマか2コマで終わらせるのである。
結局描きたいのは獣上司が主人公を事実上溺愛するというスパダリものか、という感じで、そのためかエピソードがとにかく芝居臭く、はっきり言ってしまえば幼稚。成熟した大人の男女とは思えないともすれば気持ちの悪い言動・やり取り。人形劇めいて、各キャラクターに深みがない。
個人的にはこの作品内の世界観をもっときちんと説明して欲しい感じなのである。試し読み部分からは、『獣人』を『貴族』とかに変えても全く問題ない程度の無意味設定でしかないように感じた。
あと、第1話序盤で主人公視点で内面描写してたのに唐突に獣人上司の内面描写に切り替わったりするのが非常に読んでいて違和感がすごく気持ち悪かった。