バース性の突然変異は初めて読みました。α→Ωとは一番酷な変異で、体だけでなく世界が一変してしまう衝撃。恒吉が初めてのヒートでαを求める姿に、本能には抗えないと まざまざと見せ付けられました。変異に体が追い付かないのはΩなら分かりますが、αも?β→αになるのは勝者への切符を掴めて喜ばしい事でしょうが、成人後の変異は余計な副反応がつくんですね。子種が無くなってしまうのか、どうなんだろう… 階級社会による差別、Ωを肉便器扱いするオメガバあるあるは 中々耐性が付きません。画力の高さとしっかりした設定が相まってリアルな辛さが伝わって来ます。恒吉が思いの外 切り替えが早かったのはΩである事の危険性を身を持って体感して受け入れるしか無い現実に無力感を感じたのもあるだろうけど、彼自身の強さが根底にある。何より麻川が苦しみを受け止めてくれた事が大きいかな。突然変異で人生を狂わされて絶望を見た2人がスーツ姿で手を繋ぐ日が来るなんて、運命は捨てたもんじゃない。前を見て歩き出した大人のハピエンですね。でも、描き下ろしで番になるとは… どうか連載を読んでいた読者さん達に届いています様に。電子限定の描き下ろしのほっこり感にやっと緊張の糸が解けました。αのご褒美にこちらも癒されます。出来れば名前呼びが見たかったな~。作品については、麻川が恒吉に出会う前から抑制剤を多用していたらしき理由が知りたい。フェロモンに過敏に反応するタイプなのか、反応してしまう自分が嫌で抑制剤を打ってしまうのか。あと2人の家庭環境をもう少し丁寧に描いてくれたら背景の理解が深まったと思いました。以前から気になっていた作家さんでしたが、顔と体のバランスの悪さが受け付けなくて保留状態でした。本作のサンプルを見てこれならイケる!とポチリ。男の色気と迫力のあるHシーンに買って良かったなと思える作品でした。新作が出たらチェックしたいと思います😊 〈追記 2023,7/27〉番外編が出ましたね。麻川が出張で留守の間、一人寂しくなった恒吉が麻川グッズに包まれて巣作りしちゃうんですが、そこへ麻川が帰宅して… からの展開がエッロくて、迫力のあるエチシーンで19Pとは思えない満足感。画力の高さに加え、短編だからといって手を抜かない作家さんの心意気に感謝です!