平安の、猜疑心に満ち溢れる政治家や陰に呑まれかねない若い陰陽師も、人の子だなぁと思えた作品です。
傀儡や式神も出ますが、それらの派手な描写より何らかの立場ある人間としてどう生きる?とのヒューマンドラマ的な傾向かな。
繊細な絵が、夢枕先生著の陰陽師シリーズで淡々と酒を酌み交わす雰囲気や、悄悄と笛の音が流れるような雰囲気を創っている印象でした。けっこうハードな場面もあるんですが、作品全体のムードが似ている感じを受けました。
タイトルの真意がラストで間接的に明かされるのも、平安時代のやり取りを匂わせるなーと感じました。