夜だけ開いている不思議なお店「よなきごや」。赤ちゃん連れの人も、行き場のない人も、誰でも遠慮なく過ごせる秘密の場所のお話。
シーモア島のオススメから辿り着いたこの作品。かつて自分も夜泣きに悩み苦しんだ身としては、どのお母さんにも共感できるツラさがあり、とても心が締め付けられました。慣れない育児で疲弊している中、ゆっくり体を休める時間もなく、原因も分からず、一緒に闘ってくれる人も、愚痴を聞いてくれる人もいない当時の孤独感が鮮明に思い出され、自然と涙が出てきました。あの時、「よなきごや」のような場所があったら私も救われただろうと思うと、寄り添ってくれる存在の温かさがありがたいなと感じます。
そして、このお話を読んで感じたのは、まだまだお母さんがたった一人で頑張っていることがいかに多いかということ。昔に比べ育児に参加する男性も増えたとはいえ、当事者意識を持って一緒に夜泣きを乗り越えてくれる男性は多くはないのかなと感じました。それでもここに出てきた旦那さんたちは、きちんと反省し、前向きに変わろうとしてくれる優しい人たちでした。出産という大仕事は、とにかく神経が過敏になるほど疲弊する一大案件です。この時期の夫の行動や態度は一生忘れません。もし、これを読んだ旦那さんがいたら、人生で一番奥さんを大事にしてあげる時期だと思ってほしいです。家族の信頼と愛情が熟成される大切な時間を見逃さないでほしいと思います。