推しという存在がいる人たちをいろんな性格、場合で描いた短編オムニバスでした。一話一話が短いので流し読みでは理解しづらいかもしれませんが、しっかり読んでいけばそれぞれの心情や気持ちの変化、なぜそのような行動に至るのかが丁寧に描写されています。
決してオタクを馬鹿にしたり笑いものにするような内容ではありません。
推しがいない読者にとっては共感する箇所が少ないかもしれませんが、それでも珍獣を見るような気持ちで読むようなものでもないでしょう。そういう、例えば下世話な隣人とのいざこざや嫁姑間で起こる一騒動のような漫画の雰囲気とはまったく違います。そういうものを期待している方は別の漫画を読むことをお勧めします。
ひとつひとつのお話がちゃんとリスペクトを持った上で悲しく嫌な結末へと向かっています。物語として面白かったです。