ネタバレ・感想あり兄結いのレビュー

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全てを取り込み同化する濃密な愛
ネタバレ
2025年4月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 唯一無二の愛する兄を失った弟が、行き着いた先のカニ バ。緊 縛を通して兄への思慕と固く固く離れないと立てた誓い。絡み合う縄にナギの情念を感じる。
読む人を選ぶジャンルかもしれないけど、私は大好き。

6歳から兄と離れて暮らした6年間…兄を恋しく想うナギが健気で泣ける。兄として、自分だけの神さまとして、ナギの小さな世界にはヨダカしか存在しない。

ヨダカの儚げな美しさと聡明さが魅惑的で、御前に利用されてしまう。
兄に似せた木彫り人形をたくさん作り、周りを囲むようにして眠るナギ。その人形どれもがナギに向かって微笑んでいて切ない。
おまじないとして口吸いした夜、無理だと解っていても読んでいてどんなに幸せを願ったか…

ヒノエさんとの出会いも良かった。下手な慰めや導きではなく「私がそうして欲しかったように。」味方でいてくれて、生きて欲しいと願ってくれる。
トガとの出会いも大きな変化を期待する1巻。続きを楽しみにしてます!

追記
2巻待ってたので、泣きながら読みました。
聡明で美しいヨダカ…ヨダカが赦しても、私は御前を赦さん!!
ナギと幸せに生きて欲しかったよ…
ヨダカの想いや願いはナギやトガに受け継がれてゆくのが救いだけれど。
ナギが神を手放したところ、めちゃくちゃ良かった。
また再読してきます!
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あにぃという神様とその結末
ネタバレ
2024年8月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 宗教絡みにより神の生贄となった兄ぃの髑髏を文字通り肌身はなさいまま、兄ぃを奪った御前に復讐する話なんですが…

兄ぃへの恋心とか執着とか信仰心とかがカンストしてカニバ(しかも屍肉)が出てくるので注意が必要なんですが、何かもう、無茶苦茶良かった…
荒削りな部分はあれど、少年漫画を見ているようでもありながらキチンとBLなので、兄ぃへの神格化と友情なのか恋心なのか、甘酸っぱくも辛い兄ィと友の関係とか、何かもう好き…ってなりました……

好みは分かれるかもですが、私は大好きです!

そして…ついに完結。
御前も結局、現実があまりに遣る瀬無くてやり直しを求めて引き返れない所まで来てしまったんだよね…兄ィことヨダカを受け入れてしまえばまだ引き返せたかもしれないけれど、手を汚しきって行くとこまで行ってしまった自分自身を覆すことは到底無理だと突き進んだ落とし前は、過去の贄たちと同じ方法だったね…ゲンジョー…泣きながら縛り付けたのかな……

御前との最終局面、みんなに助けられ取捨選択し、未来を取ったナギ。神様と崇め奉る兄ィの髑髏を仲間のために手放したあのシーン…胸が詰まりました……

そしてナギは過去の何も出来ず兄ィに守られているだけの弱い自分たちを受け入れ、兄ィとお別れすることが出来て本当に良かった。

……兄ィとナギ、生きていてナギが怪我せず2人きりで生きて成長していった時、兄ィはナギの想いを受け入れたのだろうかと考えたけど…多分愛の種類が違うけれど、だけれど兄ィは受け入れたと思う。
可愛いし、家族で、大好きな弟だから。
でもナギが温度差に気づいた時「もう大丈夫?」と優しく語りかけてきそう。
慈悲深い…本当に兄ィは慈悲深すぎるよ……

1巻で兄ィが恋しすぎて兄ィ人形(木製)量産してたのを見た時は狂気を感じたけど、2巻では全く違う印象を受け、ここまで違うのか…と安堵したと共に軽く衝撃を受けました。

トガやヒノエはその後、どうしてるのかな…と思ったら、少しだけ続報あるとのこと!楽しみに待ってます!!

完結、あめでとうございます。
ナギ、みんなの分まで幸せにね〜!
いろんな形の愛情表現がとても良い
2024年8月18日
BLでの愛情表現は兎角交わり表現が多いが、この作品では繋縛とカニバリズムで表したのがとても良かった。
神への生け贄として殺された兄の敵討ちを弟がとる復讐譚ではあるものの、兄への執着を繋縛で表した繋縛ものでもある。
カニバリズムは喰われた人間の魂を喰った者の身へ宿す、再生、転生的な説もあるが、愛情表現の最上級でもある。
この1巻では最愛の兄ぃに対しての執着と愛情をまるまる詰め込んだ一作となっていて、とても良かった。
またサブキャラであるヴィラン役と師匠役の女性陣がとてもかっこ良く好感が持てる。
主人公である弟のナギは破滅型なので、この先もハラハラさせられるだろうけど、早くも2巻が待ち遠しい
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作家名: 青木ガレ
ジャンル: BLマンガ
出版社: 白泉社